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医療コミュニケーション教育・研究会シリーズ第9回

SP(模擬患者)を用いた医療コミュニケーション教育のデモと、高知市病院組合理事の瀬戸山元一さん の講演「理想の病院-患者さん中心の医療をめざして-」がありました(九州大学コラボ・ステーション)。全国の医学生出演による、糖尿病患者(模擬患者)への病院での医療現場のシミュレーションは、やや準備不足なところがかえって生々しくておもしろかった。学生も患者も、医療コミュニケーションの教育と実践に飢えているのだなと感じました。日本で初めて模擬患者を学生実習に使ったのは久留米大学小児科元教授の山下文雄先生とか、さすが、というか彼は現代のダ・ヴィンチか?!
とりあえず、主催の薫陶塾のHP をご覧ください。

まずは出演の医学生や臨床検査師の紹介、指導も医学生。そこで550床の特定医療法人内科病棟に入院3日目の1958年7月2日生まれの女性が登場。父は心筋梗塞で死亡、母は入院中、夫(47才)息子(18才)との3人家族、近医にて糖尿の診断でオイグルコン4T服薬中。ALT 102 U/L, AST 82 U/L, γ-GTP 120 U/L, 尿蛋白(+), T.Chol 268 mg/dl, HDL 38 mg/dl, 中性脂肪 202 mg/dl、飲酒、喫煙歴等々の患者紹介がA4用紙にいっぱい。

研修中の医学生の血圧測定に看護学生の訪問とインタビュー。


約1時間半の医療コミュニケーションデモのあとには総括と意見交換。模擬患者の評価から指導患者(本物の糖尿病患者)の感想やきびしいフィードバックが行われました。
このあと懇親会が行われましたが、学生の熱心なこと。魅力ある医学生やそのコミュニケーションを学び取ろうとする熱意と本能にも似た渇望をひしひしと感じ、これからは教育としてシステム化したうえで学生に提供する義務があると感じました。